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わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車に乗って渓谷の絶景を楽しむ【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

わたらせ渓谷鐵道

更新日: 2024年11月25日

わたらせ渓谷鐵道は旧足尾線を引き継ぎ、桐生駅から栃木県日光市の間藤駅までの全長44.1kmを走るローカル線です。そのトロッコ列車に乗り、車窓に広がる渓谷の景色を楽しんできました。

トロッコ列車は窓からの風を受けながら渓谷の景色を楽しめます

わたらせ渓谷鐵道(トロッコわっしー号)

<桐生駅はわたらせ渓谷鐵道の始発駅です>

 

わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車は窓ガラスのないオープンタイプの列車で、窓から吹き込む風を受けながら渡良瀬川の渓谷の景色を楽しむことができます。列車はトロッコわたらせ渓谷号とトロッコわっしー号の2種類あります。トロッコわたらせ渓谷号はディーゼル機関車が4両の客車を引っ張るスタイルで4〜11月に運行。トロッコわっしー号はわたらせ渓谷鐵道のキャラクター「わ鐵のわっしー」をモチーフにデザインされており、通年運行しています(冬季は窓ガラス付で運行)。

乗車には乗車区間に応じた乗車券の他に、トロッコ整理券(大人520円・小児260円)が必要です。トロッコ整理券は運転日1ヶ月前の午前11時より、わたらせ渓谷鐵道のホームページ、相老駅・大間々駅・通洞駅の各駅他、旅行会社・コンビニなどでも購入できます。

桐生駅からトロッコわっしー号に乗って出発!

トロッコわっしー号(車内)

<トロッコわっしー号の車内>

 

今回は桐生駅から13:35発のトロッコわっしー5号に乗車しました。窓外には気持ちのいい青空が広がり、窓から斜めに差し込む日差しは車内の木製テーブルをきらきらと輝かせています。列車がタタン、タタンと音を立てて走りはじめると、テーブルの日差しの上を何本もの木々の影が素早く通り過ぎていき、窓からは涼しい風がぴゅうと流れ込んできました。

 

<渡良瀬川沿いを走っていきます>

 

列車は渡良瀬川に沿うようにしてしばらくは桐生の市街地を走り、窓外には民家などの建物がちらほらと見られます。しかし、遠くに見えていた山々が両側から徐々に迫ってくるにつれて建物の数は減っていき、渓谷の大自然が広がるようになります。

沿線にはレトロな駅舎など見どころがたくさんあります

わたらせ渓谷鐵道「上神梅駅」

<レトロな駅舎の上神梅駅>

 

渓谷の入り口近くに位置する大間々駅を過ぎ、少し走ったところでレトロな木造駅舎が見えました。通過駅の上神梅駅です。この駅舎は1912年に建造され、珍しい木製の改札が今も残されています。2008年には駅舎とプラットホームがわたらせ渓谷鐵道の施設としてはじめて登録有形文化財に登録されました。

 

<花輪駅にはうさぎとかめの石像があります>

 

さらにその先の通過駅である花輪駅で列車はスピードを落とし、車掌さんがこの駅について解説してくれました。曰く、この駅のあるみどり市東町は童謡「うさぎとかめ」を作詞した石原和三郎さんの出身地であるとのことです。ホームにはうさぎとかめの石像が列車を見守るようにして置かれていました。

 

<車窓には渓谷の大自然が広がります>

 

<間近に滝も見られます>

やまと豚弁当とトロッコ弁当の2種類の弁当をいただきます

列車のレストラン清流(駅弁)

<列車のレストラン清流で販売している駅弁>

 

その先の停車駅である神戸駅は、その広い構内に「列車のレストラン清流」があります。ここで駅弁の「やまと豚弁当(税込1,200円)」と「トロッコ弁当(税込1,200円)」も製造販売しており、前日の15時までにお店に予約しておくと、駅に停車したときに車内まで持ってきてくれます。僕は豪華に2種類の弁当を両方とも予約しました。

 

<やまと豚弁当>

 

まずは「やまと豚弁当」からいただきましょう。豚肉には醤油ベースのタレがたっぷりかかっており、口に入れると、あっさりとした上品な旨味が広がります。この弁当にはわたらせ渓谷鐵道の特製手拭いが付いてきます。

 

<トロッコ弁当>

 

続けて「トロッコ弁当」もいただきます。舞茸ごはんに舞茸の天ぷら、豚カツ、紅あずま甘露煮、卵焼き……等々、たくさんのおかずが付いてきます。どれもとても美味しそうで、どれから食べようか目移りしてしまいました。

草木トンネルを抜けて終点の間藤駅に向かいます

トンネル内の列車イルミネーション

<トンネル内ではイルミネーションが灯ります>

 

神戸駅を出てしばらく走ると、列車は全長5,242メートルもある草木トンネルに入ります。すると、それと同時に列車の天井にイルミネーションが灯りました。暗闇の中で赤、青、紫、緑……と次々と色を変えていき、まるで異空間に突入したかのようになります。

 

<トンネルを抜けるとまた大自然が広がります>

 

<鉄橋をいくつも渡っていきます>

 

トンネルを抜け、沢入駅、通洞駅、足尾駅を過ぎ、終点の間藤駅に到着しました。この駅はニホンカモシカが現れることもあるらしく、駅舎の壁にはその絵が大きく描かれていました。

 

<終点の間藤駅に到着しました>

 

帰りは普通列車に乗車しようと思うのですが、時刻表を見ると、その列車が来るのはまだ1時間近くも先です。お茶を飲んで周囲の自然の景色を眺めながらのんびり待っていると、空は次第に夕闇に染まっていきます。やがて遠くのほうからタタン、タタンと列車の音が近づいてきました。

 

わたらせ渓谷鐵道の沿線には大間々博物館(コノドント館)、旧花輪小学校記念館、足尾銅山……等々、たくさんの観光スポットがあります。時間に余裕がありましたら、途中下車してそれらを巡ってみるのもいいかもしれません。

 

インフォメーション

わたらせ渓谷鐵道株式会社

住所:群馬県みどり市大間々町大間々1603-1
電話:0277-73-2110
営業時間:9:00~17:00
定休日:土曜、日曜、祝日

ホームページ:https://www.watetsu.com

 

列車のレストラン清流

住所:群馬県みどり市東町神戸891 神戸駅構内
電話:0277-97-3681
営業時間:11:00~16:00
定休日:4月〜11月は無休、12月〜3月は月曜(ただし月曜が祝日の場合は翌日)

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

小林ていじ

群馬県館林市出身のフリーライター。海外をふらふらと放浪するのが好きで、旅の記事をもっとも得意とする。現在は日本にいるが、また海外に出てずっと旅して暮らしたい。