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群馬の名産を自分の手で!下仁田でこんにゃく手作り体験 【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

こんにゃく手作り体験(下仁田町)

更新日: 2024年11月14日

群馬県の歴史や文化を読む「上毛かるた」44枚のうち1枚に、「ねぎとこんにゃく下仁田名産」と登場する下仁田町。群馬県が全国シェア95%を誇るこんにゃくの名産地として知られるこの地では、手作り体験もできるんです!

家庭で体験する機会の少ないこんにゃく作りは、ご家族での思い出作りや夏休みの自由研究にもぴったり。群馬の食文化をまさに肌で感じる、楽しい体験の様子を紹介します。

自然豊かな町・下仁田はこんにゃくをはじめとした農業全般が盛ん

こんにゃく芋

<photo by Masaaki Muraoka>

 

群馬県の南西部に位置する下仁田町は、山々に囲まれた自然豊かな地域です。地質的にも貴重な資源に恵まれ、それを活かした活動が広く行われていることから、日本ジオパークにも認定されています。

ジオパークとはその土地の地質や地形から地球の過去を知り、未来に続く活動の見える場所。教育や環境保護など、総合的な観点から持続的な管理を行っています。

こんにゃくの原料であるこんにゃく芋も、また下仁田ねぎも、栽培に適したさまざまな条件がそろう下仁田だからこそ、長く生産されてきました。

60分で完成体験!手軽にできるこんにゃく手作り教室

道の駅しもにた

<photo by Masaaki Muraoka>

 

私がこんにゃく手作り体験に訪れたのは、「道の駅しもにた」内にある下仁田町観光協会です。

「ぐんまの達人」として群馬県が認めた101名の中の1人、こんにゃくの達人の佐々木信也さんにお越しいただきました。

 

< photo by Masaaki Muraoka>

 

佐々木さんは先代から蒟蒻(こんにゃく)製造を営み、三代にわたり蒟蒻業に携わる蒟蒻一家のご出身。この道45年の大ベテランです!こんにゃく体験教室の受講者も5,000人以上にのぼります。

今回私が挑戦したのは、観光の途中でも気軽に体験できる60分コース。あらかじめ、こんにゃく粉を水で解いた糊状のこんにゃくの素が準備されています。練る作業から始めるため、初心者でも手軽にこんにゃく作りを楽しめます。

 

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

手軽とはいえ、「よく練る」、「形を作る」などの工程を通じて、本格的なこんにゃく作りの面白さは十分に体感できます。

ゼリー状のこんにゃくの素がどのような工程を経てあの「プルプル食感」のこんにゃくに大変身するのか…?この体験で謎が解明されることを期待しながら、いよいよ手作り体験にチャレンジします!

こんにゃく達人の指導の手ほどきを受けながら、こんにゃく作りに初挑戦 !

こんにゃく手作り体験

<photo by Masaaki Muraoka>

 

佐々木さんの指導のもと、事前に準備されたゼリー状のこんにゃくの素をよくかき混ぜていきます。ここでは糸を引くくらい粘り気が出るまで、丁寧に練るのがポイント。でも、これがなかなかの力仕事です。

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

「力いっぱい、親の仇(かたき)だと思って混ぜて!」という佐々木さんの言葉を受け、思い切り混ぜ続けて二の腕が限界に近づいてきたところで、ようやく粘り気が出てきました。

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

滑らかな状態になったら、「凝固剤」を加えます。ここがポイントで、凝固剤を十分に混ぜないとこんにゃくが上手く固まらないとのこと。握り潰すように手早く混ぜ合わせるのがコツです。タピオカのように粒々と細かくすることをイメージすると良いそうです。

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

タピオカ状の粒々になったこんにゃくはプルプルした手触りでした。

そして凝固剤が行き渡ったら、また最初と同じように力いっぱい混ぜていきます。すると今度は滑らかな状態に変化。それをバットに移し、平らにならしていきます。

最初は柔らかくプルプルしたゼリー状のこんにゃくがお餅のような粘り気のあるものになったり、粒々のタピオカのようになったり…。いろいろな状態に変化していくのを観察するのも、こんにゃく作り体験の楽しみの1つですね。

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

平らにならしたものを適当な大きさに切り、沸騰したお湯で20分程度茹でると完成です。

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

出来立てほやほやのこんにゃく。せっかくなので、少しちぎって味見してみました!

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

温かくてプルプルしていて、口に入れただけで幸せな気分になります。

少し表面がデコボコした見た目が味のあるこんにゃくですが、やはり自分の手で作ったぶん思い入れが違いますね。

佐々木さんによると、出来立てはそのままで、冷めたら醤油やポン酢に漬け置きしても。変化をつけるなら、焼肉のタレに漬け置きしてから炒めても美味しいのだとか。

強いアルカリ性の凝固剤を使っているため痛みにくく持ち帰りも安心なので、ぜひ家に帰ってから、ゆっくり味わってください。

下仁田町が有名なのは、こんにゃく芋を粉末加工する原料問屋が多いから

こんにゃく達人・佐々木さん

<photo by Masaaki Muraoka>

 

体験のあとは、佐々木さんに下仁田町とこんにゃくの歴史について伺いました。

下仁田町がこんにゃくで有名なのには、いくつかの理由があります。

昔のこんにゃく芋は病気に弱く、下仁田南牧地域の気候や水はけの良い土地が栽培に適していました。その後県が品種改良を続け、今では群馬県がこんにゃく芋の栽培王国と言われるようになりました。

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

しかし、実はもっとも大きな理由は、その大多数のこんにゃく芋が下仁田町近隣でこんにゃく粉に加工されていることです。下仁田町周辺の傾斜のある山から流れる川の水流が強く、その水力を利用して水車で精粉する業者が増えて栄えました。現在も多くの精粉加工業者があり、それが下仁田町がこんにゃくの産地と言われるゆえんです。

小さい頃から当たり前に「下仁田=こんにゃく」と思っていた群馬育ちの私にとって、これは今まで知ろうともしなかった事実でした。

手作り体験のあとは、グルメやお土産選びの楽しみも

道の駅しもにた(特産品コーナー)

<photo by Masaaki Muraoka>

 

こんにゃく作り体験を満喫した後は、今回の体験会場・下仁田町交流防災ステーション に隣接する「道の駅しもにた」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

特産品コーナーではこんにゃく製品はもちろん、お土産にもぴったりなお菓子や地元の新鮮野菜が多く販売されていました。11月1日からは、こんにゃくと並ぶ名産品・下仁田ねぎも並びます。

「ぐんまちゃん」とコラボした可愛いオリジナルグッズもありました!

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

下仁田町の観光などで分からないことがあれば、併設する下仁田町観光案内所のスタッフを訪ねてみてください。下仁田町を楽しく旅する方法を教えてもらえます。

 

 

<photo by Masaaki Muraoka>

 

<こんにゃく達人・佐々木さん、下仁田町観光協会の津金澤さんとphoto by Masaaki Muraoka>

 

下仁田町のこんにゃく作り体験は、群馬の食文化を肌で感じる貴重な機会です。

自分で作ったこんにゃくを味わいながら、下仁田町の魅力を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。

こんにゃく手作り体験は、上信電鉄線下仁田駅から徒歩約5分の「こんにゃく手作り体験道場」でも行えます。「やってみたい!」という方は、まずは下仁田町観光協会に連絡してみてください。

インフォメーション

<こんにゃく手作り体験>

料金:団体(20名以上)は1430円(体験料1300円消費税130円)、個人(2名以上20名以下)は1650円(体験料1500円消費税150円)(大人・子ども一律料金) 
体験予約:電話・メール・下仁田町観光協会HP申込みフォーム

 

<下仁田町観光協会>

住所:群馬県甘楽郡下仁田町大字馬山3766-11(道の駅しもにた内)
電話:0274-67-7500
FAX:0274-67-7501
メール:   dmoshimonita@icloud.com
営業時間:9:00~12:00、13:00~16:00
定休日:水曜

 

<道の駅しもにた>

住所:群馬県甘楽郡下仁田町大字馬山3766-11
電話:0274-67-7500
営業時間:8:30~17:15
定休日:毎月第2火曜日(施設全体の定休日)

 

ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)

望月優衣

渋川市出身・高崎市在住のフリーライター。群馬県内の取材・インタビューを中心に、文章を仕事に楽しく生活しています。趣味は街歩きや美術館めぐり、ノープランの旅行です。