レトロでディープな観光名所。ジャパンスネークセンターと三日月村を巡る【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】 | 特集一覧 | 心にググっと観光ぐんま

レトロでディープな観光名所。ジャパンスネークセンターと三日月村を巡る【ぐんま観光県民ライター(ぐん記者)】

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更新日: 2024年03月28日

 群馬県の魅力をぐんま観光県民ライター(ぐん記者)がお伝えします!

 新田義貞の隠し湯として有名な藪塚温泉が湧き出る太田市藪塚町に、今なお昭和の香りを残す観光スポットがある。江戸時代の上州を舞台とした小説「木枯し紋次郎」の世界観を再現した「歴史の里 三日月村」と、日本で唯一の蛇専門の研究機関である、日本蛇族学術研究所が運営している「ジャパンスネークセンター」である。今回は、そんなどこか懐かしくもあり新鮮でもある、レトロでディープな観光スポットが群馬にあることを是非とも紹介したい。

写真:スネークセンター南門と三日月村に向かう駐車場の入り口にある門

江戸時代にタイムスリップ。小説「木枯し紋次郎」の世界

 駐車場から続くいかにもな雰囲気の門をくぐると、あちこちに色あせた木枯し紋次郎と蛇の看板が見えてくる。そして関所のような入り口の向こう側には、まさに時代劇のような「歴史の里 三日月村」が広がっていた。訪れたのが冬の時期だということもあってか、枯れ草の色が茅葺の建物によくマッチしており、どこか物悲しさと懐かしさを感じさせる。

 さっそく村の中に入っていき受付のお姉さんの説明を聞いてみると、入村料を払った後、ここから先は日本円は使えないとのこと。村内で食事をしたりお土産を買ったりするには、受付で日本円を寛永通宝の一文銭と両替してもらう必要があるのだ。100円と1文を交換してもらえ、使いきれなかった文は、また受付で円と交換してもらえる。円安の昨今であっても、レートは以前から変わらないらしいのでありがたい。

 木枯らし紋次郎をよく知らない人でも、十分にその世界観に没入することができる。そして三日月村の目玉は、何といっても「不可思議土蔵(ふかしぎぞう)」、「怪異現洞(かいいげんどう)」、「絡繰屋敷(からくりやしき)」の3種類のアトラクションである。

この門をくぐると江戸時代にタイムスリップ

一文銭にはしっかりと寛永通宝と刻まれている

アトラクションが3つしかないのではない。3つもあるのだ!

 アトラクションの1つ、「不可思議土蔵」は山の斜面に対して斜めに家屋が建っているため、視覚と平衡感覚にズレが生じるようで、まっすぐ歩くことが難しい。その場にいたカップルと家族連れも大いに盛り上がっていたが、まっすぐ歩けないことがこんなに面白いとは思いもしなかった。次の「怪異現洞」は、暗い洞窟の中を探検するアトラクション。洞窟の中がかなり薄暗いため、お化け屋敷のようでもありちょっとドキドキする。最後の「絡繰屋敷」は、様々な仕掛けが施された部屋を次々に脱出していくアトラクション。ネタバレになってしまうので詳しくは書けないが、まるで忍者になったような気分を味わえるのだ。

不可思議土蔵の一部。こんなアンバランスな姿勢でも立ててしまうから不思議である

絡繰屋敷。頭を使う体験型アトラクションになっている

日本で唯一のヘビ専門研究機関

 三日月村のすぐ隣に、日本蛇族学術研究所が運営している「ジャパンスネークセンター」がある。世界各地の蛇を飼育、研究、展示している施設であるが、蛇に特化しているというその珍しさのせいか、様々なWebサイトでB級観光スポットとして紹介されている。園内では世界各地に生息している数十種類ものヘビたちを観察できるだけでなく、様々な蛇の標本などが見られる資料室があるほか、ハブの毒液採取や餌やりの見学イベントなども行われている。餌やりは人工的な餌ではなく、マウス(冷凍を解凍して)など与えているので生々しさがあるが、親子連れも多く集まっており人気のイベントのようだ。また、ヘビグッズに特化した売店も併設されているので、ぜひお土産選びに見てもらいたい。 

大蛇温室には4m近いサイズの蛇がたくさんいる。とにかくデカい!

ヘビを守り、ヘビから人を守る使命

 園内の展示を見ていると、あちらこちらに新聞の切り抜きが貼られている。それらを読んでみると、ヘビの違法な飼育によるトラブルや逮捕者についての記事だった。またスネークセンターは、人がどうしても飼えなくなってしまったヘビを預かることもあるという。ここはヘビを愛し、ヘビを守っている機関なのだろう。またスネークセンターでは、マムシやハブの毒を採取しており、それらは人がマムシなどに噛まれた時に特効薬となる抗毒素血清を作るために使われるという。ヘビを人から守り、人をヘビから守る。そんな大切な取り組みについて楽しく深く学べるのがスネークセンターなのである。

毒ヘビを無許可飼育していた飼い主が、猛毒を持つグリーンマンバ(写真のヘビ)に噛まれる事故があった

看板の色あせ具合が、歴史の長さを感じさせる

インフォメーション

歴史の里 三日月村

住所:群馬県太田市藪塚町3320

電話:0277-78-5321

営業日: 10:00~15:30 (12月から2月の間は10:00~15:00)

定休日:金曜日、12/25~12/30 その他不定休あり

料金:入村料 大人660円 子供330円

   セット券 大人1760円 子供1100円 

 

ジャパンスネークセンター

住所:群馬県太田市藪塚町3318

電話:0277-78-5193

営業時間:9:00~17:00(11月から2月の間は9:00~16:30)

定休日:金曜日(祝日の場合は営業)

料金:大人1,000円 子供500円

 

 

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秋山紫苑

普段は教師として専門学校で地理や生物を教えているが、休日はカメラを片手に群馬県内のあちこちに現れる。群馬の観光資源をこよなく愛しており、群馬の若者たちにもっと地元のことを好きになってほしいと心から願っている。好きなものは温泉と滝とB級スポット。